「1年間日本一周、作品制作の旅」023 ステージ01青森秋田その14


翌朝、「親戚のうち」を後にしたとくさんたちは、仏ヶ浦の展望台へ。

展望台では、先に一組のご夫婦が景色を眺めていて、とくさんが近づくと、ご夫婦が連れていた黒い柴犬が飛び掛かってきた。

その表情からしたら、「背後に近づくな!」というものではなく、「遊んで~!!」の方だったので快く受け止める。

とくさんの替えを持ってきていないジーパンにしがみついてる柴犬を見た奥さんの方が、「すみませ~ん」とおっしゃるのだけれど、「犬を飼ってたので大丈夫ですよ」と感じよく返事をしながら、少し会話。

加藤さんが曲がった腰でやってきた。

柴犬は、今度は加藤さんになつきまくる。

 『ねえ、加藤さん、すんごい顔舐められてますが、大丈夫ですか?』と心の声。

ご夫婦との話の中で、
 「仏ヶ浦に行きたかったんですけれど、大変そうなので…」と話すと、
 「大丈夫ですよ、私たち今行ってきましたらから。お二人は若いから…」と。

この奥さんの方の一押しで、展望台から見るだけにしようと話していた仏ヶ浦は、その高低差100mを下り上りする決心をした。

100mだと30階建ての高層マンションを上って下りる(下りて上る)高さ。

とくさんは、多分、大丈夫だとして、今の加藤さんには、かなり大変なはず。

というか、誰に言わせても、止めておいた方がいいはず。

とりあえず、下りるだけ下りてみて、難しかったら下の船着き場にとまる定期船で他の港に連れて行ってもらい、とくさんがそこに車で迎えに行くという手段も執れる。

この場合だが、定期船には、加藤さんが一人で乗ることが重要だ。

もしも間違って、二人で乗ってしまった場合、とくさん一人でもう一度、仏ヶ浦に定期船で戻り、階段を上るという意味の分からない事態が発生する。

状況によって執るべき手段が明確になったところで、行くだけ行ってみることにした。


熊注意の看板を横目に山道の遊歩道を歩く、長いこと歩いた。

途中で、後ろからやってきたライダーに道を譲る。

プロテクターもしっかり入った黒のライディングスーツで、MonsterEnergy の帽子には、ロッシの46が入っている。

YAMAHAのR-1か、R-6に乗ってるのは確実で、ちょっとうらやましい気分。

どうぞお先に。

海岸までもう少しというところに、簡素な神社がみえる。

そこから般若心経が聞こえてくる。

太くてよく響く、いい声をしている。

どんな人かと思ったら、先ほどの階段踊り場で先に行ってもらったライダー。

帽子を取ったら、坊主頭だった。

話の流れで気づいた方もいるかもしれないが、そういう場所にあるのは、大体、神社。

大きな鈴もついていたし。

そこで、ライダーのお坊さんが大きないい声でお経をあげている。

多分、お坊さんによる神社への攻撃ではないはず。

でも、まあ、こういう大らかなところが日本のいいところなのだろうなと改めて思う。


ところで、仏ヶ浦、とにかくすごい。

立佞武多もすごかったけれど、こちらもすごい。

地味な立佞武多が、たくさん並んでる感じ。

きっと立佞武多の絵師に見せると、塗りたくて、ちょっとうずうずしちゃんじゃないだろうか。

100メートル上、崖の上の駐車場から無理して下りてきたけれど、その価値があった。

ただ、残念なことに、ここまで頑張って下りてくれた加藤さんも限界に近づいていて、奥の方のさらなる絶景までは行けなかった。

そこそこ楽しんだところで、登り口まで戻り、その辺で休憩をしようかなと思ったところでスズメバチ。

 『はいどうも。昨日に引き続きましてのスズメバチです』

他に休憩する場所がないので、少しずつでも階段を上ろうという話。

階段を上る途中、踊り場のベンチに腰掛けると、またもや別のスズメバチにあっち行けサインを出されてしまい、加藤さんがなかなか休憩をとれない。

う~ん、今日2度目。

昨日からは、3度目なのだけれど、刺されはしない。

これはラッキーなのか、どうなのか。

どうやら、遊歩道脇の木の根本あたりが巣になっていそうで、気を付けて通り抜ける。

と、まあ、とりあえず、駐車場まで無事に帰還。


帰り道のスズメバチによる2回の警告で、仏ヶ浦の景色がどんなだったかは、すっかり忘れた。

 「仏ヶ浦って、どんなだったっけね」
 「仏ヶ浦って、ねずみ色だった」

加藤さんも午前中からかなり傷んでいるので、後部座席に寝てもらって先に進む。

次に目指すのは大間、そして、今日の執着地点は宿泊先のある下風呂温泉。


動画もご覧ください→YouTube:SunnydayCats

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