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「1年間日本一周、作品制作の旅」011 ステージ01青森秋田その2

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YouTube:SunnydayCats さて、今日初日、最初の目的地は、青森県黒石市の宝温泉黒石!! パチパチパチパチ。 いや、実際は、最終目的地という方が正しいのかも知れない。 どういうことかというと、「まだお昼だし、旅館は、すぐにチェックインできるわけではないのだけれど、その辺は岩木山方面への通り道でもあることだし、こちらは2泊を予定しているので、一度、先に、外からでも様子を眺めておきたいなぁ、できればでいいんで」という、何もないのに「いや、いろいろありまして」な小市民的心理。 宝温泉黒石は、ビジネスホテルと旅館の中間のような施設で、同時に旅館と日帰り温泉との中間のような施設でもある。 ここに宿を取ることにしたのは、加藤さんのお父様の出身地であることと、今でも、こちらに何かしらの用事がある際には、みんなでお泊りになるということで、自分もちょっと見てみたいと思ったから。 おっと、部屋の話を詳しくするのは、チェックインしてからにしよう。 まずは、駐車場の様子を見て、加藤さんのご先祖様のお墓参りをして、岩木山神社に向かう。 岩木山神社に向かう道すがら、案内看板に「弘前城」の文字が出てきた。 どうやらすぐ近くをかすめるルートだったようで、ならば入ってみようということになった。 実は、4月下旬に青森への旅を予定していたのだが、コロナ禍により、それがキャンセルになってしまってこの時期になっているという側面もある。 言うまでもなく、全国有数の桜の名所である弘前城は、一度はその時期に足を運んでみたい場所だったのだけれど、残念ながら今回は桜を見ることは叶わなかった。 さて、程なくして、弘前城に到着。 このエリアは、城跡の堀を中心としたよくある普通の地方都市の様相だ。 三の丸追手門の前にある観光センターの地下駐車場に車を止めて、この城を攻めていくことにした。 外堀にはアイス屋がいるのだが、それが忍の変装であることなどは、すでにお見通しだ。 門は大きく開かれ、アイス屋以外に、敵の姿は見えない。 桝形の前でも、弓矢、鉄砲、投石の類に至るまで、敵からは何の攻撃もない。 これが空城の計であることは、もはや明白で、とくさんは、一気に本丸、天守を攻め落とすことにした。 時間にして1時間半ほどだったのだが、その内、ほとんどは、加藤さんの顔はめパネルでのお遊びに付き合う時間だった。 一方で、実際

「1年間日本一周、作品制作の旅」010 ステージ01青森秋田その1

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YouTube:SunnydayCats ということで、旅の当日、初日。 羽田空港から秋田の大館能代空港へ向かう、現在、唯一の便である8時55分発のANA787便。 空港には少し早めの到着した。 まず、加藤さんのこの旅における意気込みなどを動画で撮影し、その後、チェックイン。 空港内は、ひどくがらんとしているのかと思えば思ったほどでもなく、かと言って、いつものように長い列が手荷物チェックにできているわけでもない。 「あれ?何だろう、何かちょうどいい」 逆にどうしたものかと、ちょっと悩む。 特に何というイベントもトラブルもなく、順調に出発ゲートに到着。 出発ゲートは遠い、右の端の端だったけれど、地方の小規模空港行きであることを思えば、タラップ行きのバスに乗せられないだけ良かった。 機体は小さいボーイング737型機。 真ん中に通路があって、両サイドに3席づつのレイアウト。 ANAのウェブサイトによれば、2クラス合計120席。 今日の搭乗率は、見た感じ6~7割程度だった。 機内サービスは、紙コップにお茶を入れてもらうか、小さめのペットボトルの水をもらうかの二者択一で、とくさんと加藤さんは後者を選んだ。 ただ、紙コップには、SNOOPYの絵が付いていたので、二人ともすんごく欲しかったのだけれど、今回ばかりは諦めた。 天気にも恵まれ、揺れもなく、定刻よりも10分以上早くに大館能代空港に到着。 あれあれ、ここまであまりに順調で、ボケるネタをまったく思いつかない。 これ一番困るやつね。 そう思った次の瞬間、預け荷物の受け取りエリアを出たところで、出刃包丁を持った二人のなまはげが大暴れをしているところに遭遇、とくさんは、左手の小指だけで、なまはげを倒し、人質に取られた500人の子供たちを助けることになる。 ごめん。嘘はいけないね。そんな面白くもないし、実際ありそうだし。 無いわ。 やり直し。 さて、大館能代空港では、預け荷物の受け取りエリアを出るとすぐにレンタカーのカウンターが目に入る。 コンパクトな空港にあわせて、そのカウンターも理不尽なほどコンパクトにできている。 すごく狭い場所にレンタカー主要4社がひしめいていて、各社一人ずつしかカウンターには立てそうもない。 もしも、一人であっても両手を広げれば、確実に隣の会社のスタッフを殴ってしまうし、二人で立てば、二人目は隣の会社の受付

「1年間日本一周、作品制作の旅」009 体調不良で

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YouTube:SunnydayCats とにかく忙しくて、時間が足りない。 結果、とても体の調子が悪い。 6月も後半となり、旅の開始まで3週間を切ったところで、初めて帯状疱疹というものになった。 なにしてんねん、自分。 そりゃそうだ。 やりたいことが山積みなのに、知識や経験のないことばかりで、どこから手をつけていいのか分からない。 スタートがそこだった場合、結局は、基礎から始めるのが一番早いということくらいは、大人なので理解できるのだが、一体、何が基礎なのかが分からない。 たとえ、やったこともなくても、アプローチの方法だけは理解できるのだが、やったことがないので、まるで具体性に欠けるのだ。 普段のとくさんならば、ここで爆笑の例え話の一つでも差し込んでくるのだが、今は体調が悪すぎて何にも出てこないので、話を先に進める。 そんな状況での頑張りは、睡眠時間に跳ね返ってきて、ベッドに入っても頭がぴかぴかする。 結局、起きだしては、PCの電源ボタンを押すことになり、また、昨日と今日の境目があいまいになる。 そんな日々がしばらく続き、CatsBとくさんは、帯状疱疹で病院送りになった。 実は、その数日前、パソコンの使い過ぎで生じた肩甲骨辺りの筋肉の強張りを和らげるために極端なストレッチをした。 きっとその時、過度に伸ばしてしまった皮膚と神経を痛めたのだろうと思い、患部をよく冷やし、お風呂は湯舟を避けて、硬目のタオルでゴシゴシ擦っていた。  「はい? あ、はいはい。そうですよ。わたくし、帯状疱疹ですよ」 そう、その通り。 それ、一番、やったらあかんやつ。 「症状を和らげるために」などと、もし、このまま数日続けてたなら、すんごいまずかった。 自慢じゃないが、『帯状疱疹』の検索で出てくる「絶対やっちゃいけないこと」を片っ端から全部やっていた。 幸いなことに「それ帯状疱疹じゃない?」と加藤さんが気づいてくれたおかげで、治療を開始は、比較的早い段階。 重症化せずに、何とか1週間ほどで治りそう。 ということで、加藤さんに感謝。 体の左右どちらかの半身の皮膚が、ピリピリして、かゆくなってきたら、赤くなり始める前にすぐ皮膚科ですよ。 ほぼ帯状疱疹ですのでね。 動画もご覧ください→ YouTube:SunnydayCats

「1年間日本一周、作品制作の旅」008 飛びません

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YouTube:SunnydayCats 出発までひと月を切って、順番に準備ができた。 まだ、準備の状況を見直しておこうというタイミングには少し早いんだけれど、それでも飛行機の運行状況が少し心配でANAのHPを確認する。  「あ”!」 まじか。 飛行機、欠航です。  「加藤さ~ん、あのね、何か、毎日、いろいろ頑張ってたんだけれど、飛行機、欠航になっちゃった」  「・・・」 行きの飛行機はあるんだけれど、帰りの飛行機が欠航。 予定をしていたスケジュールでは、最終日は夕刻のフライトなので、それまでゆっくりと奥入瀬渓流と十和田湖を周って帰ってくる予定だったのに、6時には起きて、食事付きのプランの朝ごはんをあきらめ、150kmくらいの距離を下道で移動し、十和田湖を涙目の横目で眺め、9時台には何とかレンタカーを返し、10時台の飛行機に乗らねばならない。 うん、正直に言おう、もうがっかりだ。 ついでに、ちょっと腹立たしいところもある。 こちらから気にしてサイトを見に行かなければ、全然連絡なんかなかったし、気づかなければ、同日の朝便への予約変更だって間に合わなかったかも知れない。 今回、チケットを取得した先はユナイテッド航空だから、そちらのサイトを見に行くと、さらっと、Cancelledって書いてある。 こら、黙ってないで連絡して来いよ、ユナイテッド航空め。 いっそ、向こうが謝ってくるまでグズろうかとも考えたが、恐らく、どんなにグズっても便を元には戻さないだろう、これはあくまでとくさんの勘だが。 飛ばないものはどうしようもない。 これから、キャンセルされたANAの航空券を別の便に変更するのだが、その手続き先は、またユナイテッドだ。 もっとも最近は、コロナに伴って、日程変更、キャンセルについては手数料が掛からないということになっているから、手間は掛かるが、金銭的な負担はない。 当然だ、そんなものあるわけがない。  「ん?」  「〇%&’$%&!!」 先だって、パニックで何を言ってるんだかわからなくなった加藤さんと同じく、そばにいる人間が、とくさんのその言語を理解するのは無理だっただろう。 『なぜだ、航空券自体の値段が違うというか、規定より上げられているなんてありえんじゃないか!!』 恐らく、そんなことを言っていたはずだ。 なんだか、もういろいろありすぎて怒っている場合じゃない。 再

「1年間日本一周、作品制作の旅」007 準備もできたしYouTube

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YouTube:SunnydayCats 旅のスタートまで、ひと月を残し、荷造り以外の準備は大方できた。 ここまで行くと、もし「明日出発!」と言われても、さほど困りはしない。 ある時、加藤さんが言った。 「YouTubeでもやりますか?」 「え?晩御飯に?」 とくさんは、不意を突かれて意味の分からない返事をしてしまった。 YouTuberというのはおこがましいので、そこまでではなく、作品を動画にしてYouTubeにアップロードしたいとのこと。 おお、いいのではないだろうか。 もはや、HPに写真を置いておくとクライアントさんがやってきて、勝手に写真のオーダーをしてくれるような時代ではない。 そう言えば、前にそんな話をしたことがあったっけ。 結局、その話は、生返事で流れていたのかも知れない。 まあ、そんなわけで、これから当分の間は、立派な失業者として人並外れた時間もあることだし、YouTubeのアカウントでもとって、加藤さんの作品のスライドショー的なものやら、作品解説動画なんかをアップしようかということになった。 一方で、とくさんは、今回のこの「1年間日本一周、作品制作の旅」というのは、あくまで、ここで読んでもらっている随筆文にするためのものであり、落ち着いたらまとめて、出版に回そうかと考えていた。 なので、まだこの時点では、あくまで公式サイトのSunnydaycat.comが加藤さんのメインフィールドであり、追加機能として、その作品のスライドショーが見られるようにする、公式サイトの外郭的な的な役割を果たすのが、SunnydayCats、そして、そのYouTubeだった。 つまり、その時点では、この旅とYouTubeの間には、何の関係もなかった。 とは言え、順に加藤さんの作品動画や作品説明動画などを作ってみると、何か、ちょっと面白いことをやりたくなってくる。  「じゃあ、YouTuberになっちゃう?」  「やろうやろう」 ということで、すぐに決まり。 はい。我々、YouTuberになります。 そもそも、とくさんは、YouTuberについて、あまりよく知らない。 教育系の動画は見るのだが、いわゆる、有名なネイティブYouTuberの動画というのをまるで見たことがない。  「加藤さん、YouTuberって、何やるんだろうか?」  「たぶん、コーラにラムネ入れて、ボワーって

「1年間日本一周、作品制作の旅」006 旅の予約

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YouTube:SunnydayCats 旅の開始はまだまだ先になるのだけれど、今のうちにやらなくてはならないことが無数にある。 無数にあるのだが、その種類は一つである。 どこ行くの?何するの?でもって、どこに泊って、どのルートで行くの?などなど、ほぼ無限、無数にあるのだが、その根っこは同じ、すなわちそれは旅の準備だ。   えっと、普通過ぎて、逆に何言ってるか分かりません。   まず、旅程を決めるためには、航空券の確保が基本。   そうそう、航空券の確保ね、確保。   今回は、ANAを使って、秋田の大館能代空港から、青森方面にレンタカーで北上する予定。   大館能代空港には、午前と夕方のANA2便が就航している。   諸事情あって、スターアライアンスグループのユナイテッド航空のHPから、ANAのチケットを取得。   月曜日の午前に立ち、土曜日の夕方に戻る便を選んだ。    「飛行機は、最近、便数が減っているみたいけれど、大丈夫?」    「でも、さすがに7月になれば、移動の制限も解除になるし、大丈夫でしょ」       ユナイテッドのHPで何の問題もなく予定した航空券を取得できたので、次は宿泊先の予約。   東北も奥地になると、普段使っている予約サイトにある情報が、かなり薄い。   コロナ禍で飛んでしまった4月の青森の旅において予約をしていた加藤家の常宿に改めて電話予約。   前回は予約を取り消してしまい本当に申し訳ありませんでした。   ということで、初日と二日目の宿泊先は、そこで決定。   それ以降は、ルートと宿泊先を決めるために、まずは青森で行ってみたいポイントをGoogle MyPlaceにピンを打っていく。   次に一筆書きできそうなルートを考えて、移動の限界ポイント周辺で『旅館』を探す。   うん、いや、下北半島に『旅館』なんてないから。   多少はあるかもだけれど、『民宿』がほとんどだから。   名前を聞いたことがある弘前市や黒石市でさえも電話予約なのに、東北の最北にある下北半島の、さらに奥にある民宿で電話が使えるんだろうかと、そこがちょっと不安になる。 そう言えば、アフリカでは固定電話よりも先に携帯が普及したという話を思い出し、逆に携帯が使えるんじゃないかと勝手な妄想をしてみた。   結局、この地域での民宿の予約の方法は、まず、役場のHPにある「民宿

「1年間日本一周、作品制作の旅」005 行き先は青森

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YouTube:SunnydayCats 心の準備ができてから旅の開始まで、ひと月以上間が空くことになった。 その間に、まったくできていない旅の準備をするわけだが、すでにできている心の準備の方がとっ散らからないように気を付けながら準備をしなくてはならない。 さて、記念すべき、第1回遠征、別名1stステージについては、すんなりと青森県に決定。 何故かというと、青森は、加藤さんのお父さんの出身地だからだ。 「ねぇ、青森のどこに行きたい?」 「そうだなぁ、青森はね、りんご! あと、うんと~、青森山田高校、あとはね、下北半島には猿がいるかも知れない!」 とくさんは、知ってること全部言ってみた。 我ながら、酷いもんだ。 どこに行きたいか聞かれているのに、「りんご」はないだろう。 だが、仕方ないのだ。 静岡出身のとくさんとっては、青森県は、あまりに遠い。 しかし、あえて言うならば、お正月の高校サッカーで見ることがある学校の名前くらいは出てくる。 いや、むしろ、それくらいしか出てこないのだ。 そもそも、先に出てきた「りんご」に対しても、正直なところを言えば、その存在に対して強烈な違和感がある。 「え?」 りんごの何が違和感かって、そりゃ、りんごが赤いことさ。 木に赤い実がなるというのは、西洋のおとぎ話の中だけだ。 日本ではだめだ。絶対にダメだ。 とくさんにとっては、どうしても「木になるのは、黄色いみかん」以外は考えられんのだ。 この症状は、間違いなく愛媛県民、和歌山県民にだって見られるはずだ、静岡県民だけじゃない。 その辺りの出身者ならば、これ読みながら、「あ~分かる~」、「あるあるある」と言っているはずだ。 さて、「りんご」と「みかん」の話はこれくらいにして、少し話を進めよう。 これまで、とくさんと加藤さんの作品制作に伴う国内の旅は2泊3日が基本で、飛行機を使用する遠方の旅が3泊4日となっている。 今年は、この日本一周前にも、2月に北海道、道東エリアに3泊4日の忙しい旅をしていた。 しかし、今回は、レギュラーの仕事をすべて辞めちゃったために、時間には一切囚われない。 囚われるのは、時間や予算ではなく、自分たちの体力、またはそれによる二人のメンタルだろう。 一旦、そのあたりのバランスを考慮して、今回の旅路は、ガッツリ青森&ちょこっと秋田を5泊6日で回ることにした。 空路を伴う旅程

「1年間日本一周、作品制作の旅」004 実家の意見

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YouTube:SunnydayCats 実家への報告かぁ。  まあ、とくさんの実家についてはバレるまで黙っていればいいとして、加藤さんの実家については、ちゃんとしておかなくてはいけない 。  事前に「大事なお話があります」と一言だけメッセージで伝え、ご両親の待つ加藤さんの実家へ。  ちょうど、姪っ子姉妹が来ているということなので、駅ビルで神戸ブランドのプリンを人数分買っていく。  到着した実家では、コロナで休校の姪っ子たちが、ひたすらお勉強。 この状況下なので、実習以外のすべての科目は、自分で学ばねばならないらしい。  化学、物理、応用数学、あと、なんか聞いたことないようなのがたくさん。  いずれにしても、とくさんの通る今後の道に立ちはだかるものではなさそうである。  あ いさつと簡単な雑談ののち、軽く二人で目配せをして、お父さんの前で姿勢を正す。    「実はですね、コロナもありまして、仕事を辞めて、1年間日本一周して、家を買おうかと思います」    「・・・」    「あの、コロナの影響もありまして、仕事を辞めて、1年間日本を一周して、家でも買おうかと思います」   「うん、それは、いいんじゃないの」   「え?」  いやいやいやいや、ちょっと待っていただけますか?  今の、本当に伝わりましたか?  どこの馬の骨もかわからないこの男は、私はこれから、あなたの大切な娘さんを路頭に迷わせるという宣言をしているのですよ。  だめです、そんなの良いわけがないんです!  今すぐ、その男を叱りつけて、右手の中のテレビのリモコンの角がここに当たるように投げつけてください! と心の声が叫ぶ。  待て、一旦待て。落ち着け、落ち着くんだ、自分。  今更、とくさんがどこの馬の骨かも分からないということはないはずだ。  いや、今はそんなことはどうでもいい。  そう、これは伝わっていないだけなのだ。  もう自分で言っちゃうが、そもそも、とくさんの言っていることなど、伝わるわけがないのだ。 だって、自分でも何言ってんだか分からないんだから。  もし、自分がお父さんだったら、口をあんぐりさせ、最低限度の返事もできないだろう。  にもかかわらず、「うん、いいんじゃないの」という返事が返ってきた。  ということは、何か裏があるはずだ。  いや、違う。待て、待てよ、自分。  もしかして、ワード間

「1年間日本一周、作品制作の旅」003 心の準備

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YouTube:SunnydayCats さて、前日は、アホなとくさんに対して気丈に振る舞い「だったら、仕事を辞めて、日本を一周しよう」という、とてつもないのプラ転発想をやってのけたCatsAの加藤さんだったが、日付が変わった頃には、強い不安に襲われていた。  「●△×・・・!」  「ん?」  「〇△×%$・・・!」 そりゃそうだ。 彼女が何を言っているのかはよく分からないが、多分、その通りだ。 他人が見れば、いい年した失業者二人の日本一周なんて、ちょっとした現実逃避さえも現実逃避したくなる、見事な現実逃避っぷりである。 恐らく、何か不安を訴えているに違いない。  「△×●・・・!!」 やはり、彼女が何を言っているのか分からないが、多分、その通りだ。 だから、大丈夫、安心して。 それは、当然の症状だから。 過去最大のピンチを二度とないチャンスにすり替えるこの究極のプラテン発想の裏には、無限大の不安が、3Mの強力粘着テープで貼り付けられている。 いくら気丈にしていても、風が吹けば、ひっくり返って、裏が表に出るのである。  「△×●&%$・・・!!」 やはり、彼女が何を言っているのかはよく分からないのだが、多分、その通りだ。 でも、多分、どうにかなるはず、この日本一周。    「〇△×%$・・・!!!」    「大丈夫だよ」   加藤さんの気持ちが落ち着いたら、実家に報告に行かなきゃな。 YouTube:SunnydayCats

「1年間日本一周、作品制作の旅」002 自己紹介

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YouTube:SunnydayCats こんなご時世に、こんなご時世だからこそ、「仕事を辞め、1年をかけて日本を一周しますw」などと言うと、何かこう、ありがちな思い付きのようでもある。 ただ、これについては決して思い付きなどではなく、ある種のひらめきのようなものなのだが、両者の違いについてはまったく説明できないので、まあ、そういうことなのかも知れない。 いずれにしても、これを機会に、さらなる主観的幸福感の充実というか、むしろ、「本質的幸福」に向けて、本格的な軌道修正を図ることになる。  「そう、日本一周は幸福なのだ!」 違う違う、そうじゃない。 日本を巡ること自体が、幸福の本筋や人生の目的なのではなくて、本来、自分たちが居るべき場所に到達、もしくは、回帰するための準備が、日本一周なのだ。 例えば、それは、宇都宮の駅前で片思いの彼女に告白するために、日本をバイクで一周するようなものだ。 いや、違う違う、違う、そうじゃない。 それは多くの男子がするありがちな勘違いの一つで、 バイクの免許を持っている男子ほぼ全員が通った誤った道だ。 それはさておき、とくさんが一体何者なのかというと、うんと~、ちょっとだけ話してみようかな。 いや、止めておこう。 ちなみに、以前は海外の とある町の写真家を自称していた。 当時、「人生の目標は?」と言われれば、迷わずに、その とある町の偉大な写真家として歴史に名を刻み、その町の一本の裏通りに、つまり、地図にまで自分の名の残すことだと答えたのだけれど、最近では、「加藤さんのすばらしい作品、その世界観をみんなに伝えていくことですね。そして、みんなが、少しでも幸福の本質に近づく、そのお手伝いができるなら、すごくいいですね」と遠くを見ながら答える。 そんな新興宗教の教祖が仏門に入ったようなとくさんなのだが、長いこと写真関連のベンチャーに関わらせてもらっていた。 そこでは、撮影の仕事もしていたし、いわゆる、『会社の人』みたいに数字を拾ったり、人を育てたりというの仕事もしていた。 立ち上げからだったから、とても一生懸命やったし、期間も長くなったので、こんなとくさんにだって、それなりに感謝してくれた人もいるだろう、 一人か、二人は。 ただ、その中で培った、幾ばくかの『知恵』のようなものは、人生の本質を覆い隠そうとしていたのかもしれない、大事なものが傷がつ

「1年間日本一周、作品制作の旅」001 事の始まり

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YouTube:SunnydayCats それは、巷を騒がせた新型コロナウイルスの第1次流行による緊急事態宣言の終了翌日、2020年5月26日の出来事だった。 事の発端は、多分に漏れず新型コロナウイルスによる、いわゆるコロナ禍であり、とくさんの関わる会社が撮影を担当していた大型イベントが立て続けに中止になったことである。 その結果、会社は、数年に一度発生する、過去最大のピンチを迎えていた。 当然、とくさんもまたすんごいピンチを迎えていた。 世間では、「ピンチはチャンス」などと言ったりもするので、「これは、チャンス。そう、これは、チャンスなんだぜ」と、つぶやいて冷静さを保つ努力をする。  「チャンス!」  「チャンスなのだ!」  「チャンスなのだよね!?」  「チャンスなのか?」  「チャンス…」  「チャン・スー」  「Chang.Sue」  「あ、そうそう、Chang.Sueだった、すぐメールしなきゃ」  「え、誰?」 完全に現実から目をそらしていた。 このコロナ禍に会社から提示された新しい契約条件は、すでに丸ごとお仕事がなくなってしまったフリーのカメラマンの皆さんからしたら「●△×ぞ!お前」と言われても仕方ないぐらいの厚遇。 他の人から見たら「そのポジションやりたいです!命を懸けてやります!」と真夏のアスファルトに素肌の土下寝でお願いするような好条件なのである。 でも、とくさんにしてみたら、初見「何ですか?私に、死ねと?」と言いたくなるよう超苦痛カテゴリ。 それはもう、「私に」と「死ねと?」の間に「、」が入るくらいの重厚さ。 とくさんは、しばらく考える。 今は何より、会社を守ることが重要だ。 そして、提案には、こう答えた。 「はい、大丈夫です。問題ありません。一緒に頑張りましょう」 とくさんは、できる男だ。 それは、今ではないかもしれないが、将来的には、できる男なのである。 とくさんは、社長、取締役とのオンラインでのMTGを終えて、立ち上がる。 ふぅと、小さな溜息で気持ちを切り替え、次の仕事の算段をする。 そして、つぶやく「さぁ、行こうか、俺」 いやいやいやいや、全然そんなん違いますよ、途中から、いやいや、最初っから全部嘘! 「え~なに~、なにそれ~、なんで~、なんでな~ん、いやや、いやや、そんなんいやや~、あ~もう、おうちかえりた~い」 そんなん、嫌すぎるし、