「1年間日本一周、作品制作の旅」041 ステージ02秋田岩手その12
その後、山崎のコンセイサマの社殿のお掃除をしたり、もう一つの河童淵に行ってみたりして、この日の宿泊先である水光園に到着。
辺りはすっかり暗くなってきた。
こちらは、健康ランド的要素もあるらしく、いや、むしろ、部屋数から言ったら、仕事帰りの日帰り入浴の人がメインの準温泉施設ようだ。
以前も、そんな感じのところに泊まったとこがあったのだけれど、そういう場所にはスリッパがない。
それから、靴箱やふろ場のロッカーが完全に指定されるなど、人の出入りに関する管理がとても厳しいというのも特徴だったりする。
さて、受付でチェックインの書類記入を済ませて、非常にややこしいルールの説明を受けると、ここを含めて遠野のお店やタクシーで使用できるという1000円分の金券を1枚手渡された。
それが何なのか、どのように使うのかなどよく分からなかったので、この金券に関するルールを順に尋ねていくと、その説明を聞く中で、「あ、もう一枚ね」と言いながら、追加(不足分)の一枚を手渡してきた。
後になって思えば、このスタッフは、今日だって昨日だって宿泊客一人に対して1枚ずつを配っているはずで、その金券に不慣れなわけはなく、もしも、こちらが細かく聞かなかったら、残りの一枚はどうするつもりだったのかなと、ちょっとした疑問が湧いた。
さてさて、そんな話はよしとして。
この日も結構な蒸し暑さの中、相当にアクティブだったので、相当な汗をかいた。
すぐにでも風呂に入りたいと思っていたのだけれど、先に食事をとりに街に戻らなければ、すぐに閉まってしまうのが、地方のお店。
部屋に荷物をおいて、エアコンの設定をリモコンで確認し、地元の名物ジンギスカンを食べにもう一度出かけることにした。
街までは、真っ暗な道を20分以上走る。
奇しくも、到着したジンギスカン屋さんは、お昼ご飯を食べたラーメン屋さんの隣。
結論としては、うん、こちらも間違いなくおいしい。
感じもよく、とても誠実な仕事をしている。
食事を終え、同じ道のりを戻り、部屋に入る。
「あれ?冷えてない」
全然、冷えてない。
エアコンの温度を19℃にしてみても、まったく冷たい空気が出てこない。
二人とも、限界まで疲れているので、今夜は、早めに眠りたかったのだけれど、そうは問屋が卸してくれないらしい。
受付カウンターに行くと、ラッキーなことに、100キロくらいはあるだろうという男性と、先ほどの女性。
事情を話して、男性の方に、エアコンの状況を見てもらうことにした。
ラッキーだと書いたのは、『この時期の温泉上がり、冷房がないと無理ですよね』という状況を一番理解できるタイプの男だと思ったからだ。
案の定、リモコンをいじっている間にも汗をかいたようで、『この部屋、無理ですね!』で完了。
さっそく、唯一、空いているというの部屋の準備を始めてくれた。
しばらくして、お部屋の準備が整いましたという言葉で、別の部屋に案内される。
次に通された12畳の部屋には、何故か、2台のエアコンが並んで設置されており、コップの水が氷るんじゃないかというくらい、すでにキンキンに冷えている。
そんなにキンキンにして欲しいという話をした覚えはないのだけれど、部屋の準備をしてくれる担当の方には、そのように伝わっていたらしい。
何だろう、何か、すんごく、いろいろあった。
今夜こそ、ゆっくりと眠りたかったのだけれど、疲れすぎてしまうとなかなか眠れないらしい。
ちょっと背中に違和感を感じる。
「あ、まさか」
すでに、一昨昨日、一昨日、昨日と、ほとんど眠っておらず、そろそろ限界だなと感じてきたところで、まさかというか、そりゃそうだよねの帯状疱疹発生。
ふた月ほど前、動画編集でほとんど寝てなかった状況下で初めて発病し、翌日、病院送りになって以来。
ただ、この病状については、すでに経験済みなので、原因も対処方法も理解していた。
よし、まず寝よう。
「うん、眠れないね」
何度も言うが、いろいろあって疲れすぎちゃって眠れないのである。
だんだん外が白んできて、どんどん部屋が明るくなっていく。
「何で、カーテンがないんだ!」
ああ、アイマスクでも持ってくるべきだった。
これは、加藤さんの提案だったか、誰かの提案だったか、「じゃあ、パンツかぶって寝たら?」
余りに恥ずかしいので、誰にも言えないのだが、まだ履いていない黒いパンツをかぶり、ウエストのゴムの部分を目に当てて眠ることにしたら、うん、何だか落ち着いて眠れた。
あ、はい、もちろん、自分のです。
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