「1年間日本一周、作品制作の旅」024 ステージ01青森秋田その15
大間崎まで行く途中に、願掛け岩という巨大な岩の崖を発見した!
発見したといっても、通りすがりの人は、みんなその存在を確認しているのだから、自慢するほどのものではないのだが、想定外のイベントが発生したという意味では、ある意味、「発見!」と言っても差し支えないだろう。
で、その岩、でかい!とにかく、でかい!!でかい!でかい!!
世界中のマッチョが羨むその姿は、まるで雲見の千貫門あたりの景色のようだ。
この願掛け岩というのは、男岩と女岩というので構成されていて、度を越したマッチョっぷりを発揮しているのは、男岩の方。
男岩と女岩の間には、駐車場があって、「ちょっと休憩ね」ということで車から降りると、道の脇にはちょっとした池があった。
目の前は大間に通じる一本道なので車の通り自体は多いのだけれど、わざわざ車を止めて、見に来る人もいなさそう。
その池は、鳥の声やカエルの声、耳をすませば、トンボの声もまでも聞こえてくるのではないかというくらいの見事なサンクチュアリを形成していた。
池の脇には、松が何本か立っているのだけれど、その下には大量のマツタケが生えていて、すでに傘を開き巨大化しているものから、「これって、もしかして、いい感じに売れちゃうんじゃないですか?」というものまで、すんごいたくさん生えている。
それが本当にマツタケなのかどうなのか確かめるために、這いつくばってにおいを嗅いでみようかと思ったのだけれど、この辺をワンコを連れてお散歩している人がいないとも限らないので、いったん、思いとどまってみた。
よく考えてみたら、そもそも、調理されていないマツタケのにおいって、今まで嗅いだことなかった。
まあ、どちらにしても、それは危険な賭けだったわけだ。
周囲100メートルほどの池を一回りして、マツタケと睡蓮、ヤゴの抜け殻の写真を撮って車に戻る。
大間まではまだしばらく走るのだけれど、順に景色が開けてくる。
高度も下がり海岸沿いに出てくると、家並があまり見たことのない作りになっていることに気が付く。
海風に強いという事なのか、寒さに強いのか、この辺の事情はよく分からないのだけれど、新しい家であっても昔風な板張りの外壁を持った家が多い。
多いというか、ほとんどがそういう住宅だ。
調べてみると、多分、板倉づくりというようなんだけれど、詳しいことは分からなかった。
大間に入ると普通の小さな港町。
切り立った影の間にある漁港というよりは、どこか北海道の漁港という感じで平たくて広く、背後に山が迫っている感じではない。
観光用の広い駐車場に入ると、止められている車の数は少なく、これでは土産物や飲食店のお店の人たちは、少ない客を奪い合うことになりそうだ。
一方で観光客は、本州最北端の碑に抜けるためには、道の両側から降り注ぐ、店員さん挨拶に応え、会釈をしながら先に進まなくてはならない。
ちょっとしたレッドカーペットを行くセレブの気分だ。
ただ、とくさんはセレブではないので、さすがにちょっとプレッシャーを感じる。
動画の方でも話していたのだけれど、すでに昨日の時点でそれなりに魚介類を食べていたので、それほど大間のマグロを食べたいという感じはない。
そもそも、ここに来たのは、クロマグロを食べるためではなくて、本州最北端の地に足跡を刻むことだった。
ただし、本当に刻んでしまうといろいろと問題になるので、実際は記念撮影をする程度にとどめることが肝要だ。
「とっていいのは写真だけ」みたいな理屈である。
ともあれ、本州最北端の地が見えてきた。
実物大だというマグロのオブジェの前で記念撮影をして、その裏側にある海の中につながるちょっとした階段を、手すりを持ちながら降りていく。
その階段の先端で、とくさんは加藤さんに「見てて~」と言って、ちょっとふざけた調子で、心配をさせてみようかとおどけてみる。
小学生が『ねえねえ、お母さ~ん!見て~!見て~!!』と叫ぶのと同じである。
やるだけやって満足したとくさんは、『あ、ちょっと加藤さを心配させすぎちゃったかなぁ』と、満を持して振り返ってみると、加藤さんは、全然見ていない・・・。
こちらを見ていないどころか、ひとりで完全に海鳥になって羽ばたいている。
この状況を客観的に見て、どっちの方がふざけていて、どっちの方がやばい状況かというと、残念ながら加藤さんの圧勝だ。
この時、悔しいというのか、情けないというのか、もしくは、羨望なのか、今まで経験したことのない感情に襲われた。
いずれにしても、とくさんは、加藤さんの前に、完全に敗れ去ったのである。
う~ん、かろうじて『本州最北端で空回りした男』というバッジはもらえたんだけれど・・・。
動画もご覧くださいませ→YouTube:SunnydayCats
コメント
コメントを投稿