「1年間日本一周、作品制作の旅」038 ステージ02秋田岩手その9
旅は早くも中盤戦の3日目に突入。
まあ、人生と同じで、始まりはすごく長く感じるのだけれど、中盤からはあっという間に時間が流れる、らしい。
なので、この旅も、あっという間に過ぎ去るのろうけれど、今日のスケジュールは、中身がぎっしり詰まっているから、今日一日だけで言えば、とてもとても長い一日だ。
さて、この日は、雨の夏油温泉を後にして遠野に向かう。
基本的には、偶然性とコストの面から下道を走りたいのだけれど、北上市を過ぎてしばらく走った後、高速道路の入り口に入るようにと、ナビが指示をする。
どうやら、復興に絡んだ無料区間ということらしく、スケジュールも詰まっていることだしと、「今回くらいは」と、一気に遠野まで移動することにした。
「うん、これはこれでちょっと助かる」
予定よりも早くに到着した遠野は、まだ、11時を過ぎたところ。
駅前の駐車場に車を止めて、初めての遠野を散歩してみることにした。
うん、くそ暑い。
昨日も、一昨日も、夜は落ち着くものの、昼間は雨であっても、かなり蒸し暑かった。
で、今日はすっかりいい天気で・・・普通にくそ暑い。
天気がいいから蒸し暑くないのかと言えばそんなことはなく、今日は今日で、「暑さ」に負けじと「蒸し」の方も、これまで以上に頑張っている。
東北はうすら寒いんじゃないかと長袖を持ってきたのだけれど、結局、確実にTシャツが足りなくなるという、アホみたいなことになった。
さて、遠野駅前の通りを左方向に抜けると、昭和の飲み屋街が続いている。
飲み屋街といっても、焼き鳥屋、焼き鳥屋、隣にラーメン屋と焼き肉屋を挟んで、焼き鳥屋とかではなく、女性のお名前が付いた、いわゆるスナック、パブが並ぶ。
蘭、夕子、みゆき、エリカ、愛などが、ずらっと並ぶ、そんな感じ。
「スナック」、「パブ」・・・・。
これまでも、これからも、恐らく、一生足を踏み入れることのないだろう世界。
その未知の世界との境界は、わずかに、木製のドア一枚で仕切られているだけ。
遠野の駅前裏通りは、そんな別の世界に通じるドアが無数に並んでいる、そういう場所。
もっとも、その中には、どこにも通じなくなったドアも、少なからずありそうだったけれど。
さて、街で食事を済ませて、次は、遠野で悪さをしていると伝え効く、河童を捕獲するためにカッパ淵へと向かう。
近くの「伝承園」の駐車場に車を置かせていただく。
勝手に置いたわけではなくて、スタッフの方に尋ねたら、そもそも、そこに置くものだということだ。
通りを渡って、そこから延びるまっすぐな道をひたすら歩けば、カッパ淵に到着する。
まあ、どのかな風景で、道の脇にはコスモスが咲き、ホップの実がなる。
実際に「ビールの魂」たるホップといものを見たのは初めてだった。
無類の酒好きのとくさん(あ、嘘です)としては、たまらない。
この先の淵で、釣り竿にぶら下げられたキュウリで簡単に釣られてしまう河童のように、もう少しでホップに釣られ、枝にぶら下がっているとくさんの姿を世間に披露するところだった。
そう、後先になったけれど、カッパ淵では、竹の釣り竿に麻縄で縛ったきゅうりを括り付け、淵に浮かべて河童を釣るというアトラクションがある。
その竿を管理している人はいないのだが、河童を釣るには、「捕獲許可証」が必要で、それは、先ほどの伝承園で有料配布している。
どの程度の頻度で釣れるのかは分からないが、実際に河童が釣れることは間違いないのだろう。
そうでなければ、立派な立札が建つほどの長い間、営業が継続できるはずがない。
せっかくだから聞いてみれば良かった、そこでは先の駅前のお店にお勤めであろうベテランのお嬢さんお二人が河童を釣っていたのだから。
そう言えば、このお二人、クーラーバッグは持っていない様子だったので、河童を釣ってもそのままリリースするつもりだったのだろう。
この有名なカッパ淵もいいところだけれど、この淵のあるお寺の門を戻った先、この川の流れを少し遡った先の田園風景はもっと素敵だった。
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