「1年間日本一周、作品制作の旅」055 ステージ04山形宮城その4

  


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喜至楼の翌日は、最上荘。

距離は割と近くて、車で走れば30分と掛からない。

そのままだと、10時にチェックアウトして、10時半にチェックインしてしまうので、何かしらの方策を考えなければならない。

そして、3つ案が浮かんだ。

 1.ツルハドラッグで、電子版地域クーポンを使ってみる

 2.興味はないけれど、銀山温泉に行ってみる

 3.山刀伐峠を車で越えてみる

この三つ。

恐らく、この辺をこなしておけば、最上荘へのチェックインはちょうどいいだろう。


さて、10月になって、ちょっと問題になった使えないクーポン券、電子版地域共通クーポン。

これ、ほんと使えるところ少ない、いや、ほとんど無い。

う~ん、もう少し正確に言うと、ほとんど無いよりも、まったく無いに近い。

使うためには、片道30キロ程度の移動は覚悟しなくてはならないし、もし、事前に使えるところを把握してなければ、クーポン・クエスト状態になり、旅の目的自体がそれになることは間違いない。

通りすがりの村人に話を聞き、迷い込んだ暗い森では毒蛇やハチに襲われステイタス異常、何だかんだで気がつけば、旅の仲間が増えているはずだ。

めでたく、クエストを完了することができれば、恋の一つも始まるかも知れない。

いや、それはないだろう。

冗談はさておき、ちょっと想像してもらいたい、もし電車の一人旅だったとして、ある程度、始末をした旅でもらえる電子クーポンは1000円分、そして、30km先にあるツルハドラッグであれば使えるという状況。

移動のためにタクシーなんてもってのほかで、電車を使っても、バスを使っても、確実に赤字。

にもかかわらず、泊っている旅館では、「紙クーポンなら使えます」と言われる状況。

こりゃあちょっと、想像しただけで悲しくなるというもの。


繰り返しになるけれど、この辺で電子クーポンを使えるところはツルハドラッグくらい。

で、ここは、初日の喜至楼から少し戻った新庄市内とその南に位置する尾花沢市に5店舗以上ある。

でもって、銀山温泉、山刀伐峠ルート上にも1店舗ある。

車でよかった。


この電子クーポンって、ほんと嫌い。

使えるところが少ないだけじゃなくて、やたらとややこしい。

「クレジットカードとモバイルスイカあるのに、何で無理やり、何とかPayなんてやらなきゃならないの?」派のとくさんとしては、画面を見せて、カメラでスキャンしてとか、金額を打ち込んで、バーコードを提示してとか、QRコードを読み込んでって、「うん、お前ら、全部消えて無くなれ!!」って思う。

10月の初めでは、まだ、この店舗でも電子クーポンを使用した人はいないらしく、こっちも、そっちもどうすりゃいいのか分からない。

もう、店内放送でスタッフを呼び集め、総出で対応。

ただ、中には賢者もいるようで、配布されているらしいマニュアルを読みながらも、何とかしてくれた。

もう、「私たちの旅の仲間に入りませんか?」と声を掛ける寸前だった。

周りを囲む嬉しそうなスタッフの拍手喝さい。

「ああ、この後は花束を受け取って、短い挨拶をしたら、退場なんだなって思うと少しの寂しさも残るな」なんて、妄想。

「迷惑かけてすみません。そして、皆さん、ありがとう」


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